ADX(ADX・R)の見方・使い方
ADX(ADX・R)とはDMIと同様に、J.W.ワイルダー氏が考案した相場のトレンドの強さを見るための指標です。
トレンドの強さの指数であるADXと、ADXの向きを確認するADXRを用いて判断します。
ADX(ADX・R)の見方は?
ADXが反転した時をトレンド発生時点、終了時点と見ます。
ADXが上向きに変化したらトレンドの開始、上昇中はトレンドの継続、下向きに変化した時点をトレンドの終了、下降中はトレンドのない状態と判断します。
つまりADXは上昇トレンド、下降トレンドそれぞれの強さと継続性を表しています。
そのためADXの上下が株価の上下と連動するわけではありません。
ADXにADXRを組み合わせることで、向きではなくそれぞれのゴールデンクロス、デットクロスでトレンド転換を判断する見方もあります。
ADXはDMIと組み合わせると、より効果的です。
→DMIの見方・使い方はコチラ
+DIが-DIを上抜けば上昇トレンド発生の買いサインです。その際ADXの向きでトレンドの継続性を判断します。またポジションをホールド中にADXが下向きに転換した際はトレンドが終了した売りサインと見ます。±DIで買いと売りのそれぞれのトレンドの発生(仕掛け)を判断し、ADXでトレンドの終了(手仕舞い)を判断します。
DMIとADXを組み合わせた基本パターン
買いパターン
+DIが-DIを上抜き、ADXが上昇傾向の上向きであれば新規買い
+DIが-DIより上に位置している際に、ADXが下向きから上向きに転換した場合も
新規買い
ADXが下向きとなったら手仕舞い売り
空売りパターン
-DIが+DIを下抜き、ADXが下落傾向の下向きであれば新規空売り
+DIが-DIより下に位置している際に、ADXが上向きから下向きに転換した場合も
新規空売り
ADXが上向きになったら手仕舞いの買い戻し
ADX(ADX・R)の作成方法(計算式)
ADXはDXの移動平均線なので、ADXを算出するために、まずDXを算出します。
DXは、+DI、-DIの差の絶対値を+DI、-DIの合計で割った数値です。
(+DI、-DIの作成方法は、DMIを参照)
→DMIの見方・使い方はコチラ
*1(下図参照)
*2(下図参照)
ADX=DXのn日平均値
*3(下図参照)
ADXR=DXのk日平均値
(ADXとADXRは同じDXを平均化したものです。一般的にADXよりADX・Rの方に長い本数を入れて使うことが多いです。例:ADX=14日、ADXR=28日)
ADX(ADX・R)の使用日数
日足 14日
執筆者紹介
伊藤正之
株式会社ストック・データバンク新宿事業所代表
手掛けた株価分析ソフト「株の達人」は、25年以上、延べ1.2万人以上の個人投資家の方々にご愛顧いただいています。(2024年5月現在)
同会員向けサイトでは、「日経平均株価の動き」等のチャート分析を活かした市況解説などでも会員の方々にご好評をいただいてます。
青木智
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)保持者
元・株式会社ストック・データバンク新宿事業所の投資コンテンツ担当。
現在はフリーランスで投資関連のコンテンツ等を手掛け、株の達人の会員サイト等にも動画や相場解説などのコンテンツを提供。
登録者数約3万人(2024年5月現在)の株の達人Youtubeチャンネルの動画も手掛ける。