月足で分かる長期の大底圏の見極め方




株価が下落を続け、日足チャートで下降トレンドが鮮明になってくると、このままどこまで下がるのかと不安になる方も多いと思います。特に株価が各移動平均線を下回り、長期の移動平均線まで下向きになってくると、先行きに対して悲観的になりやすいです。

しかし、日足で下降トレンドが続いているときこそ、月足チャートに切り替えて長期的な株価位置を確認することが重要です。日足だけでは見えにくい下値の目安や、長期的な売られ過ぎの状態を把握することで、今後の買い場を探ることができます。

今回は信越化学工業(4063)のチャートを例に、月足を使った長期的な大底圏の見極め方を解説します。

まず注目したいのが、月足の60ヶ月移動平均線です。これは過去5年間の平均的な株価水準を示しており、長期的な下値の目安として参考になります。さらに、60ヶ月移動平均線を基準として、上下に一定の割合だけずらしたエンベロープという指標を使います。今回は上方に+50%、下方に-30%と-50%のラインを表示しています。

株価が長期的な大底圏に入る際には、60ヶ月移動平均線を下回り、-30%や-50%のラインまで下落する銘柄もあります。一方、信越化学工業の過去の月足を見ると、60ヶ月移動平均線付近が長期的な下値支持線として機能してきたことが分かります。

このように、過去にどの水準で下げ止まっているのかを確認することで、日足の下降トレンドだけでは判断しにくい長期的な下値の目安が見えてきます。

もう1つ注目したいのが、月足のRCIです。RCIは株価の買われ過ぎや売られ過ぎを数値で判断できるオシレーター系のテクニカル指標です。特に月足の9ヶ月RCIは、長期的な大底圏を探るうえで参考になります。信越化学工業の過去の動きを見ると、9ヶ月RCIが-80%以下まで低下した局面で、株価が長期的な底値を形成してきた傾向があります。

動画で取り上げた時点では、6ヶ月RCIが-60%、9ヶ月RCIが-76%となっており、長期的な売られ過ぎの水準に近づいています。ただし、過去の底値形成時と比較すると、9ヶ月RCIには-80%付近まで低下する余地があり、株価も60ヶ月移動平均線まで下落する余地が残っています。

また、月足で売られ過ぎの水準に達したからといって、すぐに株価が上昇転換するわけではありません。長期的な大底圏では、株価が一定の範囲で横ばいとなり、数ヶ月にわたって底値固めを続けることも多くあります。

そこで確認したいのが、月足の6ヶ月移動平均線です。RCIが売られ過ぎの水準まで低下した後、株価が6ヶ月移動平均線を上回り始めると、長期的な底値固めから上昇転換に向かう動きとして注目できます。

実際に信越化学工業の2022年の月足を見ると、RCIが売られ過ぎの水準まで低下し、株価が60ヶ月移動平均線付近まで下落した後、6ヶ月移動平均線を上回って上昇転換しています。

このように、60ヶ月移動平均線による長期的な下値の目安、9ヶ月RCIによる売られ過ぎの判断、さらに6ヶ月移動平均線を使った底値固めの確認を組み合わせることで、長期的な買い場を探りやすくなります。

銘柄によって過去の下げ止まりやすい水準や、底値形成時のチャートの動きには特徴があります。そのため、現在の株価だけを見るのではなく、過去の月足と比較しながら、その銘柄特有の値動きを把握しておくことも大切です。

今回はこのような月足の移動平均線やRCIを使った長期的な売られ過ぎと大底圏の見極め方を動画で解説していますので、ぜひご覧ください。