今回は、移動平均線を使って株価が下げ止まりやすいポイントをどのように見極めるかについて解説します。株価の値動きには銘柄ごとの癖があり、どこで下げ止まりやすいか、あるいは抵抗になりやすいかには一定の傾向が見られます。
過去のチャートを振り返ると、以前に抵抗や支持として意識された価格帯や移動平均線は、その後の相場でも同じような役割を果たしやすい傾向があります。必ず同じ動きになるわけではありませんが、多くの銘柄で繰り返し意識されるポイントが存在します。
例えば、株価が一度大きく上昇した後には、利益確定売りによって調整が入るのが一般的です。上昇トレンドが非常に強い銘柄では、25日移動平均線付近で下げ止まることもありますが、大型株や値動きの緩やかな銘柄では、75日移動平均線や200日移動平均線まで調整するケースが多く見られます。どの移動平均線が意識されやすいかは、銘柄ごとの値動きの特徴によって異なります。
一度200日移動平均線付近まで下落し、そこで下げ止まったことが確認できると、その後再び株価が上昇し、再調整した局面でも同じ200日移動平均線付近で下げ止まる可能性が意識されやすくなります。過去にその水準で買えなかった投資家にとっては、再度近づいてきた局面が買いやすいポイントとなるため、買い支えが入りやすくなるのです。
また、短期的な上昇後に起こる利益確定売りは、株価が長期の平均価格に近づくにつれて勢いが弱まりやすくなります。平均価格付近まで下がることで売り圧力が一巡し、相対的に買い方が優勢になりやすい点も、移動平均線付近で下げ止まりやすくなる要因の一つです。
このような動きが何度か繰り返される銘柄では、特定の移動平均線が支持線として強く意識されている可能性があります。25日線、75日線、200日線のいずれで起こるかは銘柄によって異なりますが、過去半年から1年程度のチャートを見て、どの移動平均線が繰り返し意識されているかを確認することが重要です。
もちろん、このパターンも永遠に続くわけではありません。どこかのタイミングで下げ止まりのパターンが崩れることもありますし、移動平均線を割り込むリスクも常に存在します。ただし、過去の値動きの癖はその後の相場にも影響を与えやすいため、同じ水準で買いが入りやすい傾向がある点は、売買判断を考える上で有効なヒントになります。
今回はこのような移動平均線を使った下げ止まりポイントの見極め方を動画で解説していますので、ぜひご覧ください。
