株価の抵抗帯を把握する上で有効な手法の一つに、価格帯レシオ(価格帯別出来高)があります。このチャートは、特定の価格帯における出来高の分布を横棒グラフで視覚的に表示してくれるもので、非常に直感的に株価の重さや軽さを捉えることができます。
この指標は、たとえば190円付近や215円付近のように、棒グラフが長く表示されている価格帯は、過去に多くの売買が集中していたことを示しています。つまり、過去にその株価で買った投資家が多く存在するため、「しこり玉」が形成されやすく、将来的にその価格帯が株価の上昇を抑える抵抗帯になりやすい傾向があります。逆に棒グラフが短く、出来高が少ない価格帯は、株価が比較的スムーズに抜けやすく、上昇しやすい「真空地帯」とも言えます。
実際のチャートの動きを見てみると、株価が出来高の少ない価格帯に入ったことで一気に上昇したり、逆に出来高の多い価格帯で上値が重くなって反落するケースも確認できます。さらに、価格帯レシオが長く伸びている箇所では下値支持として機能しやすく、押し目の買い場としても意識されやすいのです。
通常の出来高チャートでは、日々の出来高推移しか見えませんが、価格帯レシオは“価格別”の視点から過去の売買の蓄積状況を捉えられる点が大きな魅力です。移動平均線や過去の高値・安値といった水準と組み合わせて見ることで、より強固な支持線・抵抗線を構築することも可能です。
今回はこのような価格帯レシオを動画で解説していますので、ぜひご覧ください。